動きはじめたカラオケデイ市場
業界全体の「安心・安全」アピールがカギに
――2020年のカラオケ店舗数は前年比908店舗のマイナス
カラオケマーケットは、大きく分けると、カラオケボックスを中心とした「デイ市場」と、カラオケスナックなどの「ナイト市場」に分けられるが、本稿では、カラオケボックスを中心としたデイ市場の最新動向についてみていきたい。
(一社)全国カラオケ事業者協会は、今年 7月、「カラオケ白書 2021」を発行した。
図表1は、「カラオケボックス施設数と 1施設あたりの平均ルーム数の推移」である。 20年の店舗数は 8,436店舗で、 19年の 9,344店舗から 908店舗のマイナスとなった。クローズ店舗の状況をみると、昨年の夏くらいまでは、もともと売上げ的に厳しかった不採算店舗を、コロナをきっかけに閉店するという状況がみられたが、昨年後半からは、コロナ禍による売上げ減を原因とした閉店がみられるようになっている。とくに全国展開のメガチェーンでは、数十店舗規模での閉店もみられる。
その一方で、「カラオケまねきねこ」を全国展開する㈱コシダカのように、新規出店を加速させているオペレータも一部にみられ、 2021年のカラオケボックスの店舗数は、現状では前年比で微減と推測される。
図表1 カラオケボックス施設数と1施設あたりの平均ルーム数の推移
さらに、売上げ状況をみると、カラオケボックスの 1店舗当たりの平均の「月間売上げ」は、「379万円」となっている (図表2)。前年の「508万円」から大幅な減少である。これを、「一部屋当たりの月間売上げ」でみると、前年の「23.8万円」から「17.7万円」と、これも大幅減となった (図表3)。
「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」により、多くのオペレータ企業が店舗休業を余儀なくされ、また、営業を行なったとしても時短営業やアルコール販売の禁止といった制約下での運営となり、売上げを大きく落とすこととなった。
図表2 月間売上げ 立地別/部屋数別
図表3 一部屋あたりの月間売上げ 立地別/部屋数別
※本稿掲載の『エンターテインメントビジネス』No.48には、このほか注目オペレータアンケートの回答、解説を掲載しております。>>> 詳細はこちら