カラオケ白書2023から読み解くカラオケマーケット動向
(一社)全国カラオケ事業者協会(JKA)は、全国規模で実施された加盟事業者による市場アンケート調査に基づいた「カラオケ白書2023」を、今年7月に発行した。調査対象期間となった2022年度(2022年4月1日~2023年3月31日)は、22年1月から3月まで続いたまん延防止等重点措置期間が終了した以降にはじまった年度であり、コロナ感染者数は過去最多を更新しつつも、大半が緊急事態宣言やまん延防止等重点措置による制約のない1年となった。
カラオケ業界はコロナ禍にあって、2020年度はユーザー市場規模が半減し、減少幅こそ下がったものの21年度はさらに2割減少するという厳しい数値が続いた。それに対して22年度は、施設数が、(酒場施設数が21年度13万2,008軒→22年度13万1,516軒、カラオケボックス施設数が同8,190施設→同8,138施設)といずれも減少したものの、ユーザー市場規模は約6割増(同2,393億円→同3,879億円/1,486億円増加)と、大幅な伸びをみせている。
■カラオケ参加人口の推移
- 22年度のカラオケ参加人口:前年より650万人増の約3,240万人
- 22年度のカラオケボックス施設数:8,138施設と、前年よりも「微減」
図表 1 カラオケ参加人口とカラオケボックスルーム数の推移
図表2 カラオケボックス施設数と1施設あたりの平均ルーム数の推移
コロナ禍3年目の2022年度は、引き続き感染対策を行ないながらも、世の中は「withコロナ」へとシフトし、各種の規制措置が緩和されていった。22年3月にはまん延防止等重点措置が終了し、全国旅行支援などの消費喚起策が実施され、JKAも「GO TOカラオケ」を展開 。
JKAの推計では、 21年度のカラオケ参加人口は前年より 650万人増の約 3,240万人となり、カラオケボックス施設数は 8,138施設と前年より微減、またルーム数も 11万 1,200ルームとやや減少したが、減少幅は前年より少なくなった。
■カラオケボックスの1室あたりの月間売上げ
- 1室あたりの月間売上げ:「20万円以上」の層が増加
図表3 カラオケボックスの1室あたりの月間売上げ
カラオケボックスの1室あたりの月間売上げは、前年度は16%だった「20万円以上」の層が22年度は29%まで増加。平均は19.4万円と前年の17.1万円から大きく回復。立地別では市街地・繁華街が平均22.5万円、郊外・ロードサイドが同17.3万円となっている。
※本稿掲載の『エンターテインメントビジネス』No.55には、このほか月別の売上変動、立地別・部屋別の売上推移、組単価、カラオケを設置するナイト市場・旅館ホテル市場売上を掲載しております。>>> 詳細はこちら