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進化するカラオケエンターテインメント
 カラオケボックスのエンターテインメント化が進んでいる。カラオケマーケット活性化のキーワードは「複合化」である。『レジャー白書』では参加人口の上位に常にランクインし、若老男女に支持されるカラオケの魅力を活かしたさまざまな業態開発が展開されている。都心部では最新のレジャースポットとして、地方の郊外立地では幅広い需要を取り込む複合アミューズメントの中心的コンテンツとして、さまざまな「カラオケエンターテインメント」が登場。
 「MARUNOUCHI BASE」(東京・丸の内)、「プラザアピア静岡」(静岡市)、「SHAKOBA」(東京・竹芝桟橋)を紹介する。


MARUNOUCHI BASE

丸の内初の大人の遊び場をコンセプトにしたエンタメ飲食店がオープン

 高層オフィスビルが林立する東京・丸の内エリア初となるエンターテインメント施設が丸の内テラスの「MARUNOUCHI BASE」だ。カラオケ機器メーカーの㈱第一興商が開設、運営するもので、2020年11月5日にオープンしている。
 
 1階はレトロポップなアメリカンダイナーをイメージし、少人数や1人飲みにも適したカウンター席とグループで利用できるテーブル席を用意。2階はアミューズメントエリアとダイニングエリアを併設。アミューズメントエリアには丸の内エリア初となる本格的なカラオケルームを7部屋備え、通信カラオケDAMの最新機種「LIVE DAM Ai」を設置。うち1部屋は、ダーツを備えたVIPルームとして営業する。このほか、最新機種「ダーツライブ3」16台、卓球3台を取り揃えている。
 
 ダイニングエリアは、“五感で感じるニューアメリカンダイナー”がコンセプト。宇宙や森の風景など壁面への映像演出のほか、飲食店では日本初となるミラープロジェクションが楽しめる。
 
 東京駅から至近という好立地を活かした新業態の飲食店だが、コロナ禍により時間を短縮して営業を行なっている。

カラオケルームはコンセプトの異なる7部屋を用意。VIPルームではダーツも楽しめる

ダーツの最新機種「ダーツライブ3」を16台備える

カウンターバー奥の壁面では、宇宙や森をイメージした映像演出が繰り広げられている

丸の内仲通りに面した開放的なテラス席も用意されている


プラザアピア静岡

マルハンがボウリング、カラオケ、
ゲームの複合施設をオープン

 静岡市中心部に近い国道1号線のロードサイドで営業する「プラザアピア静岡」(2020年5月25日オープン)。㈱マルハンが施設の老朽化により建替えオープンしたもので、施設構成はボウリング(20レーン)、カラオケ(30ルーム)、ゲーム機(60台)、コミック(収蔵1万6,000冊)など旧店舗を踏襲する。
 
 再オープンにあたり、注力したのが時代に即した新サービスの採用だ。たとえば、ボウリングではボールの動きに合わせてレーン上に映像がシンクロする「SPARK」というコンテンツを導入し、エンタメ性を追求している。またカラオケルームにはパソコンを設置してネットカフェの機能を付加させ、多目的ルームとして打ち出すことで従来のカラオケルームとの差別化を図っている。
 
 運営面で注目されるのがボウリングの活用だ。主に60歳以上のシニア層を対象に「健康ボウリング教室」を開催、現在約250人の会員を抱える。会員は週1回の座学を6回受講し、その後は週1回のボウリングリーグに参加。平日の昼間に定期開催されるため集客面での貢献度は大きく、ボウリング教室は今後さらに拡充していくという。
 
 開業からこの間、コロナ禍でレジャー施設の多くが集客面で大きな打撃を受けているが、同施設では、建替えを機に新たなサービスを採り入れ新規顧客を掘り起こすことで、新型コロナウイルによる影響を最小限にとどめている。

日本のボウリング場としては初導入となるブランズウイック社の「SPARK」。カーテンで照明を遮蔽し、プロジェクターでレーン上に映像を投影する

ダーツの最新機種「ダーツライブ3」を16台備える
 
 

カラオケルーム全30室のうち20室にパソコンを設置し、ネットカフェの機能を採り入れている。家庭用ゲーム機の持込みも可能で、映画や音楽、ゲームなどを楽しむ利用者も増えてきている。

カラオケルームの通路に沿って1万6,000冊のコミックが陳列されている。カラオケルームでコミックを楽しむ人も多い


SHAKOBA

ホール、レンタルルームにカラオケ完備の
コミュニティスペース

 東京・竹芝の複合施設「WATER takeshiba」で営業する「SHAKOBA(シャコウバ)」。経営にあたるのは、UR団地などの賃貸住宅の再生を行なう京王グループの㈱リビタだ。
 同施設は、“SHAKO(社交)”をコンセプトにエンターテインメントの要素を採り入れたコミュニティスペースとして開設され、ドリンクと軽食を提供するバーカウンター付帯のホールとスタンド、レンタルルーム(4ルーム)から構成される。
 
 各スペースには、エクシングの最新カラオケ機器「JOYSOUND MAX GO」が設置されており、音楽、カラオケも楽しめるコミュニティ空間となっている。アトレ竹芝の上層階にはJR東日本四季劇場があるため、同施設の開発にあたっては一般大衆向けエンターテインメント施設として「スナック」「カラオケ」「キャバレー」をキーワードに企画が進められた。
 
 コロナ禍の影響により当初想定していた店舗運営はまだ十分できていないが、ホールの平日昼はコワーキングスペースとして、夜は飲食店として営業。スタンドは一人でも気軽に立ち寄れるスナックとしてスタッフがサービスにあたる。また4つのタイプの異なるレンタルスペースは、打合せやワークショップ、懇親会、試食会などさまざまな用途に対応する。

「ホール」:本格的な照明・音響設備を付帯する。コロナ収束後はステージで一般客がカラオケを歌えることも予定している

「ホール」:本格的な照明・音響設備を付帯する。コロナ収束後はステージで一般客がカラオケを歌えることも予定している

ステージのスクリーン(約200インチ)では映画上映会が定期的に開催されている

「ROOM C」(約21㎡):ホワイトボードも備え、打合せ、商談や懇親会、ワークショップなど多目的利用が可能

「KITCHEN」(約50㎡):本格的な厨房機器を備え、試食会や料理教室にも対応可能。パテーションを開いてルーム Cとの一体利用も可能。

  エンタメ関係者必見!!

エンターテインメントビジネス[No.45]

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