西武園ゆうえんち
昭和30年代の商店街を再現した「夕日の丘商店街」。全長約130mの商店街には30軒の店舗が軒を連ねる
昭和30年代の商店街を再現
エンタメショーを柱に集客図る
西武園ゆんえんちが去る5月19日、リニューアルオープンした。西武鉄道㈱が同施設の開業70周年記念事業として2017年から計画を進めていたもので、総事業費は約100億円。
今回のリニューアルで注目されるのが、昭和30年代の商店街を再現し、そこで繰り広げられるライブ・パフォーマンスを施設の目玉として打ち出していること。新規の大型ライド・アトラクションとして「ゴジラ・ザ・ライド大怪獣頂上決戦」が導入されているが、懐かしさを感じさせる商店街を舞台にしたエンターテインメントショーを全面的に打出すという新機軸を打ち出している。
エントランスゲートを抜け正面でゲストを待ち構えるのが「夕日の丘商店街」で、全長約130mの商店街には昭和30年代の新聞販売所や魚屋、八百屋などを忠実に再現した30軒の店舗が軒を連ねる。そして商店街のあちらこちらでエンターテインメントショーが繰り広げられる。たとえば、おまわりさんと泥棒との捕物ショー、八百屋のたたき売り、紙芝居などかつて日本の商店街で見られた光景をショーに仕立て提供している。
ノスタルジックな昭和の街並の再現は、リニューアルコンセプトである“心あたたまる幸福感に包まれる世界”によるものだ。昭和に生まれ育った世代はどこか懐かしさを、昭和を知らない世代は新鮮を感じてしまう。ゲストはつい足を止めショーに見入ってしまうが、パフォーマーとの会話も飛びかい、かつて全国の商店街で見られた人情味あふれる和やかな光景がここにある。
リニューアルのもうひとつの目玉がゴジラをテーマにした世界初のライド・アトラクション「ゴジラ・ザ・ライド大怪獣頂上決戦」。夕日の丘商店街を見下ろす高台に立つ映画館「夕陽館」で行なわれているが、座席前の巨大スクリーンで展開されるゴジラとキングギドラの戦いのシーンにゲストが搭乗する特別装甲車が放り込まれるという設定だ。座席が前方へ大きくせり出した後、映像に合わせ上下左右に激しく動き、圧倒的なスリルと没入感が体験できる。
このほか既存アトラクション・エリアをファミリー・エリアとして整備したのが「レッツゴー!レオランド」。「鉄腕アトム」と「ジャングル大帝」のキャラクターを用い、「レオとライヤの夕日列車」「飛べ!ジャングルの勇者レオ」など4つのライド・アトラクションに加え、「巨大すごろく」「トリックアート」など計6つのアトラクションが揃う。
商店街で繰り広げられる泥棒とおまわりさんの捕物ショー
八百屋の軒先ではたたき売りが行なわれる。ゲストの反応を見ながらテンポよいセリフで笑いを誘う
昭和の映画館のような重厚なつくりの「夕陽館」
ファミリー・エリアとして整備された「レッツゴー!レオランド」には6つのアトラクションをタインナップ
ライド・アトラクション「アトムの月面旅行」。定員20人、所要時間30秒
エンターテインメントビジネス[No.46]
特集
遊園地の魅力づくり
▶︎西武園ゆうえんち
▶︎横浜・八景島シーパラダイス
▶︎清水マリーナサーカス
[NEW OPEN CLOSE UP]
▶︎YOKOHAMA AIR CABIN
▶︎ロマンスカーミュージアム