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ハイパーミュージアム飯能
メッツァビレッジ

宮沢湖に浮かぶ宇宙猫の島(周囲50m)。メッツァビレッジから

メッツァビレッジに現代美術館オープン
ヤノベケンジ「宇宙猫の秘密の島」開催
 
 メッツァビレッジに3月1日、現代美術館「ハイパーミュージアム飯能」がオープンし、オープニング特別企画展としてヤノベケンジ「宇宙猫の秘密の島」が8月末まで行なわれている。
 
 同ミュージアムでは、「自然とデジタル」「キャラクター」を組み合わせた展示会が定期的に開催され、ミュージアム棟の展示スペースと屋外に広がるメッツァビレッジを舞台に作品が展示される。ムーミンバレーパークに隣接し、東京中心部から離れた立地での開設となったが、眼前に広がる宮沢湖や森に囲まれた景観を活かしながら、従来の現代美術館にはない新しい体験価値を提供していくとしている。
 
 展示会の第一弾となる「宇宙猫の秘密の島」は、とても面白い内容となっている。ミュージアム棟での作品展示に加え、屋外会場となる宮沢湖には「宇宙猫の島」が浮かび、鑑賞者自らボートを漕いで上陸、宇宙猫の中を鑑賞する。「宇宙猫の島」上陸探検ツアーとしてオプション(別途料金)となるが、湖上の島を探検しに行くという冒険心をくすぐる内容が子どもたちや大人にも好評だ。「宇宙猫の秘密の島」は、東京のGINZA SIXで展示されている「BIG CAT BANG」の続編として企画された。「BIG CAT BANG」とは人間に生命をもたらした猫の物語で、その宇宙猫の偵察艇が宮沢湖に不時着したというのが今回の想定だ。宇宙猫の中の展示は、「芸術の起源はどこからはじまったのか」というヤノベケンジ氏の妄想の世界が作品化されており、興味がそそられる。
 
 また、企画展に合わせて、「ハイパーキッズプログラム」が行なわれている。自然の森そのものをミュージアムと捉え、今回はヤノベケンジによる「宇宙猫を探せ!!福笑いアートをつくろう」を実施。親子でスタンプラリーを楽しみながら、メッツァビレッジの森の石に刻まれた「宇宙猫からのメッセージ」をフロタージュ(紙の上から色鉛筆などでこすることで下にあるものの形が浮かび上がってくる技法)を活用し、宇宙猫の顔を完成させるワークショップだ。
 
 作品を見てまわるという従来型のアート観賞ではなく、メッツァビレッジという恵まれた自然環境を活かした企画展示を目指すハイパーミュージアム飯能。すでに3年間の展覧会は決まっているといい、今後どのような展示会が行なわれるか注目される。

2つの部屋からなる宇宙猫の内部。バスタブやバスローブが置かれている

「ハイパーミュージアム飯能」の外観

2階の展示スペース。立体作品や絵本「トラやんの大冒険」などの原画を展示