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最新号 PICK UP

[特集]拡大するカラオケマーケットの可能性
 

地方マーケットのカラオケ活性化
山形県内でカラオケボックス2店舗経営
オペレーション力の強化で差別化図る


 
少子高齢化や大都市への人口流出が進む地方都市では、マーケットの縮小という厳しい課題に直面している。ただ、その一方で、大手のカラオケチェーンが出店しないような小規模マーケットでもカラオケ需要は存在し、そうした需要に対応した地域密着型の運営で事業展開を図る地場企業も存在する。
本稿では、山形県内でカラオケボックスを2店舗経営し、山形県カラオケスタジオ協会の会長も務める㈱日野 専務取締役 阿部崇氏に、地方マーケットのカラオケ活性化策について伺った。
 
カラオケ事業の将来性に着目し
1989年に業界参入
 
――貴社の沿革とカラオケボックス事業に参入したきっかけをお聞かせください。
阿部 当社の前身は、私の祖父が山形県内で開業した「日野屋電気」という電気店でした。1978年に㈱日野として法人化した後、たまたまご縁があってレジャーホテル業界に参入し、祖父の後を継いだ私の父、阿部護が業容拡大を進めてきました。一方、1989年に父の知り合いのカラオケボックス事業者さまからFC店舗のお声かけをいただいたことがきっかけで、カラオケボックス1号店である「カラオケプラザ童夢」を山形県酒田市にオープンさせました。
 
――もともとカラオケボックス事業に興味をおもちだったのですか。
阿部 いえ、むしろ当初はカラオケボックスは客層がよくないというマイナスイメージをもっていたのですが、実際に施設を見学してみると、さまざまな客層が笑顔でカラオケを楽しんでいる光景を見て、「すぐにオープンさせよう」と前向きになりました。
 
営業形態としては、現在では珍しくなった“1曲100円のコインボックスタイプ”でプレハブ形式の10ルームの規模でした。本来であれば、FCチェーンのブランド名を看板に掲げるべきなのですが、そのカラオケボックス事業者さまと私の父が懇意にしていたこともあり、「カラオケプラザ童夢」という独自の店舗名を掲げて、システムや飲食メニューなどはFCチェーンのシステムを活用させていただいていました。
 
その後、同じ酒田市内と、隣接する鶴岡市内に1店舗ずつ「カラオケプラザ童夢」をオープンさせ、一時期はカラオケボックス3店舗を運営していました。後発オープンの2店舗は、それぞれJR酒田駅、JR鶴岡駅から至近の距離にある繁華街立地ですが、1号店は繁華街から離れた郊外立地だったこともあり、近年ではとくに夜の時間帯の集客が苦戦していました。そこで昨年、思い切って業態転換を図り、大手焼肉チェーン「牛角」のFC店舗として再スタートを切ったところです。
 

 
現在、「牛角」の店舗は私の実の弟が店長となって運営を担っていますが、私自身も定期的に店舗に顔を出し、大手チェーン店の運営手法やブランディング戦略などを学び、それをカラオケ事業などにフィードバックさせています。
 
コロナ収束後も単価が回復しないなか
より訴求しやすい差別化施策を講じる
 
――コロナ禍を経たカラオケマーケットの現状をどのようにみていますか。
阿部 コロナが収束した後も夜間利用の回復は遅れており、アルコール需要減などの影響もあって、既存2店舗では単価の下落傾向が続いています。コロナ禍においてテイクアウトなどによる中食や内食が増えたことや、地方におけるタクシー会社および運転代行事業者の台数減、営業時間短縮などもかなり影響していると思います。
 
また近年は、「ひとりカラオケ」を含む組み人数の減少や、お酒を飲まないお客さまの増加なども、単価の下落と売上げ減の大きな要因となっています。これからカラオケデビューする年代や若年層に興味をもってご来店いただき、将来も継続して来店していただけるような感動体験の提供が、私たちカラオケボックス事業者に求められているのだと感じています。
 
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