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飲食サービス企業に聞く

 

㈱日清製粉ウェルナ

 
商品開発本部成長事業開発部長 桑山 貴行
 

人手不足で困るレジャー施設の飲食をサポート
さらに付加価値をつける
商品開発にチャレンジしていきたい

パスタブランドの「マ・マー」をはじめとした家庭用食品で知られる㈱日清製粉ウェルナが、業務用食品の展開に力を入れる。特に、高品質かつ簡単調理ができる冷凍パスタやチュロスで、人手不足に悩むレジャー業界の「食需要」に対して積極的にアプローチしていく構えだ。その背景と今後の展望について、この4月に新設されたばかりの同社成長事業開発部、桑山貴行部長に話を伺った。

 

人手不足のレジャー施設における
「食需要」の対応をサポート

 
 日清製粉ウェルナは、日清製粉グループの食品事業を担う企業として、小麦粉に代表される素材から加工食品まで、幅広い製品を食卓に提供している総合食品メーカーです。常温および冷凍のパスタ、パスタソース、プレミックス粉など、高い品質の製品を安定供給することで、多数のカテゴリーにおけるトップシェア製品を保有し、多彩なマーケットで確かなプレゼンスを確立してきました。特に、「マ・マー」に代表されるように、国内トップのパスタメーカーとして市場を牽引してきたことから、やはりみなさん、家庭用食品メーカーのイメージをお持ちのことと思います。
 
 その一方で、2022年度から2026年度までの5年間の経営計画として「日清製粉グループ中期経営計画2026」を策定し、成長戦略を推進しています。国内製粉や加工食品、酵母事業といった中核事業を強化し、新たな価値を提供してシェアを高めるコア事業の進化などと並んで、海外事業・業務用事業・冷凍食品事業の成長戦略の加速を柱として掲げました。この4月には、商品開発本部内に成長事業開発部を新設、新たな取り組みにチャレンジしていく姿勢を強く打ち出しているところです。
 
 そうした新しい取り組みのひとつとして、わたしたち成長事業開発部には業務用の新製品の開発もミッションとして与えられています。これまでも業務用では「マ・マーTHE PRO」のブランドでパスタ関連製品を展開するなどしてきましたが、飲食業界に限らず、わたしどもが長く研究開発してきた商品がお役に立てる市場はもっとあるのではないか。そうした模索をするなかで、飲食業界同様、人手不足でお悩みの施設が多いレジャー業界を成長分野と捉えて展開していくことにしました。
 
 飲食業界もそうですが、多くのレジャー施設もまた、コロナ禍で大きなダメージを受けたものの、社会のマインドが変わった今ではV字回復の流れにあります。これにインバウンド需要も加わり、市場はさらに伸びようとしています。
 
 そうした賑わいがある一方で、多くの施設では従業員を集めることには大変なご苦労をされています。特に接客業では、今後さらに人手が不足してくるでしょう。昨年、人手不足で困る飲食店やカラオケ施設をイメージした事業者向けのコマーシャルを打ちました。われわれの業界ではこういったCMはあまりしてこなかったと思うのですが、結構反響がありました。やはり業界の課題に刺さっているのだと感じました。
 
 では、人手不足だからといって飲食をなくすことができるのかというと、話は別です。飲食を提供することで来店客の滞在時間が延びたり、集客が伸びる、客単価が上がるといったプラスの要素が間違いなく存在するので、そうした来場者、来店客の「食需要」を満たすためのサポートができるのではないかと考えました。
 
 そこには大きく2つの要素があり、ひとつは調理が簡単で提供までのオペレーションが簡易なこと。もうひとつは、それが安かろう悪かろうにならないクオリティにすることで、しかもそこにさらに付加価値をつければ価格帯を上の方に持っていけるような製品にすること。この2点を見据えた企画と製品開発を進めてきました。
 

簡単調理かつ高品質な商品を
市場に合わせたスタイルで提供

 
 社会は常に変化しています。食品の流通でも、個人商店中心からスーパーマーケットの時代を経て、コンビニ、ドラッグストアでも食品を扱い、現在はインターネットの市場も急拡大しています。食べる場所でも、レストランや食堂で食べていたものが、コンビニのイートインのような多様化をみせ、コロナ禍以降は宅配サービスも急成長するなど、少し前であれば考えられなかった動きをみせています。
 
 

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